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流行の色・スタイルを取り入れよう!トレンドが生まれる背景

トレンドが生まれる背景


ファッションとインテリアの流行の相関関係
 ファッションとインテリアのトレンドは、ここ数年、かなりリンクしてきています。20年前には考えられなかったスピードでインテリア情報が発信されるようになった現在、ファッションと同じように流行に敏感な消費者が増え、それに合わせるように日本の市場も育ってきたからです。15年程前までは、ヨーロッパの展示会に出展されていた最新モデルが日本市場では2年後にちょうど合うと言われることもありましたが、現在ではヨーロッパの展示会で発表された商品が日本の店頭に2〜3ヶ月後に並ぶことも珍しくありません。そして、世界のインテリアトレンドも年々そのスピードを増し、ファッションと同じくらい早いサイクルで変動するようになってきました。時にはファッションよりもインテリアの方が世の中の変化をダイレクトに受け、進んでいると捉えることもできる程です。そのような変化と共に、色、素材、柄など様々な面でファッションの流行と重なり、影響し合って共通のテーマが生まれているのです。

流行は“色”から始まる。
 さて、皆さんはトレンドとはどのように生まれるとお考えでしょうか?

私たち消費者が“選んでいる”と思っていらっしゃる方もいるでしょう。事実、流行の中にはストリート(市場)から生まれ大きな流れになったものも少なくありません。ですが、実際にはある一定の人や企業、組織によって意図的に生み出されているものでもあるのです。

 「流行色」という言葉を耳にしたことがありますか?毎年、年の初めや季節の変わり目になると雑誌やテレビで「今年の流行色は○○です」なんてコメントを見たり聞いたりしますよね。実はこれ、2年も前にある組織によって決められているものなのです。

 その組織とは、通称『インターカラー』/国際流行色委員会(International Study Commission for Color)。この組織は1963年に発足。加盟各国代表の非営利の色彩情報団体(各国1団体ずつ)で構成されており、主にファッションに用いるトレンドカラーを選んでいます。国際間で流行色を選定する世界でただひとつの機関であり、世界の14カ国(2009年9月現在)が加盟していて、日本からはJAFCA(ジャフカ)が登録しています。このインターカラーでは、各国が提案色を持ち寄り、実際のシーズンの約2年前の6月と12月にトレンドカラーを選定し発表しています。つまり流行色とは、ある一定の専門家たちによって2年前に決められ、世界で最も早いトレンド情報として発表されているものなのです。





“色”から“素材”“柄”へ。
  国際流行色委員会で選ばれた色(選定色)が発表されると、素材(主にファブリックス)の色や柄、デザインに影響を与え、そのシーズンの約1年前に素材の展示会が開催されます。そしてその約半年後(実際に販売されるシーズンの約半年前)にパリやミラノ、東京でコレクションや展示会が開催され、その後に商品が生産され、小売店に並んで一般消費者が目にするものとなるのです。ここでは主にファッションの世界を中心にトレンドが生まれる仕組みを解説しましたが、インテリアでも色柄は重要で、商品の入れ替わりが他よりも早いインテリアファブリックスや雑貨、ホームリネンなどの分野では大きく影響されています。

トレンド情報会社の存在
 流行色についてはインターカラーが大きな役割を果たしていることをお話ししました。では、柄や素材、フォルムなどはどうなのでしょうか?
 もちろん、ファッションでもインテリアでも、消費者が求める新しいクリエーションを生み出す天才的なデザイナーやブランドはいつの時代も存在します。彼らが生み出す魅力的なデザインは消費者の心を揺さぶり、買いたい、欲しいという欲求を刺激し、他の企業がそれに影響を受け、同じようなエッセンスの新しい商品を作り出し“流行”となっていきます。しかし、流行の色を事前に選べるなら、デザイン全体についての予測も可能なのでは?という考えに至る人がいたとしても不思議ではありませんよね。そうです。実はトレンドの流れを予測し、その情報を早くから発信している組織(企業)はインターカラー以外にもあるのです。

 世界各国には複数の“トレンド情報会社”が存在します。中でもパリやロンドンを中心に世界的に影響力の強い会社が数社あります。これらトレンド情報会社はシーズンの約一年半〜一年前に“トレンドブック”を発表し、これを購読(購買)している企業に向け、セミナーやコンサルティングを行い、商品開発に貢献しています。その情報はカラー、素材、柄、スタイル...と多岐に渡り、インテリアやエレクトロニクス、プロダクトデザインの分野にまで広がっています。また、消費者の心理や世界の経済や政治状況の変化を捉え、ライフスタイル価値観の変化についての予測も立てられています。こういった貴重な情報は、一般の消費者の目に直接触れることはなく、企業間でやり取りされ、商品という形になってはじめて私たちの目の前に現れるのです。

2011年のインテリアトレンドは?
 では実際にトレンド情報会社が発表した今年のトレンドはどのようなものだったのでしょうか?先にそれが分かっていれば、いち早く流行を先取り出来るかもしれませんよね。そこで今回は、ファッションだけでなく、インテリア専門のトレンドブックも発行しているPeclers Paris(ペクレール・パリ)のトレンド情報をご紹介しましょう。

Peclers Paris Living 2011-12 A&Wより
日本でも注目されるトレンド傾向をペクレール・パリのトレンドブックから幾つかピックアップしてご紹介します。


1.RADICAL CLASSIC/ラディカル・クラシック
大量生産や、グローバリゼーションの広がりの中で、デザインやクリエーションの画一化が推し進められてきた現代。
さらに、世界的な不況により、世の中全体において、革新的なモノを生み出そうとする意欲や、エネルギーが弱まっています。そういった世の中のムードの中では、長い歴史に基づいた、クラシックなものが力を発揮します。







2.WHERE ARE YOU FROM? /ウェア・アー・ユー・フロム?
GPS や携帯電話といった、モバイル・コミュニケーションの発達が、移動式の生活に拍車をかけています。
地球規模で人口の動きが活発化し、グローバリゼーションが進む中で、反対に人々の中で「自分たちはどこから来たのか?」「どのような歴史があるのか」という、自分たちのルーツに対しての意識をさらに強くもつようになります。このテーマでは、世界の歴史や文化を振り返りながら、素朴で豊かなデザインを展開していきます。







3.RAW & DELICATE/未加工と繊細さ
以前から続いている、サスティナビリティを基本としたトレンドを受け継いだテーマ。今シーズンのナチュラル・スタイルは、伝統的なフラワープリントから遠ざかり、中世の“儚げな”美しさを取り入れる。
かつてのシェーカーから現代の地産地消主義の人々まで、素朴なスタイルが存在感を増し、テクノロジーによって効率化する世界から私たちを守ってくれる。素朴さと繊細さ、シンプルさと精巧さ、ロマンティックな魅力とムダをそぎ落としたデザインを組み合わせた、新しいスタイルの誕生。
質素な飾りと抑えたカラーで彩られた、力強くセンシュアルな家。慎ましいけれど、凝ったアトリエ風のデザイン。






text & photos:細井絵理子(c//space)
協力:株式会社ワグ ペクレール事業部