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インテリア・レッスンvol.1 色のある暮らし。

インテリア・レッスンvol.1 色のある暮らし。




Lesson 1 白の誘惑に打ち勝つ。
 近代の日本の住まいでは、長いこと白い壁、白い天井、ベージュなどの明るい色のカーテンが主流でした。それは明るさを住まいに求める傾向が強い日本において必然とも言えるものでした。白は光を最もよく反射し、少ない光量でも部屋を明るく照らします。また、欧米等に比べて住宅の専有面積が少ない日本の住宅事情では、少しでも部屋を広く見せたいという要望に応える方法、それが膨張色である白の多用でした。

 しかし数年前から住宅展示場やデザイナーズマンションなどで積極的に色柄のはっきりした壁紙や塗装を使用した物件が登場し、多くの人に色を大胆に使った空間の魅力が認知されるようになってきました。色柄を空間に使うと、そこには個性が生まれ、デザインそのものを楽しむことが可能になります。あまりにも無機質になりすぎた日本のインテリア傾向に対して、インテリアスタイルをもっと楽しもうという積極的な傾向が顕著になってきたのです。

 それでも「白の誘惑」は強く、「白万能説」が一般の人々にはまだあります。白は空間に明るさと開放感をもたらしますが、一方で遠近感を曖昧にし、部屋の奥行きを感じにくくさせ、無機質な印象を人に与える等、プラスの作用だけではないのです。さあ、白の誘惑に負けずに、効果的な色の使い方を知り、色のある暮らしを実践してみましょう。





Lesson 2 フォーカルポイントを作る
 空間に「フォーカルポイント」=「見せ場」を作ると部屋は一気にグレードアップします。入口(ドア)から部屋に入った時、遠い壁面を人はまず目にします。その周辺の壁面にフォーカルポイントになる家具や装飾を施すと、部屋の第一印象は格段に良くなります。部屋全体、家全体を素敵に飾り付けるのは実際には難しいことです。また、インテリアで大切なのはバランスです。360度装飾や色で溢れていたら落ち着きの無い部屋になってしまいます。そこで最も効果的な場所をバランス良く装飾する。それが色や柄を効果的に使うポイントにもなるのです。



Lesson 3 色を使ってアクセントウォールを作りましょう
 フォーカルポイントの作り方はいくつかありますが、住宅を新築、もしくはリフォームする際お勧めなのが、フォーカルポイントとなる壁に色を大胆に使う方法です。これは家具や装飾品を買って飾るよりずっとリーズナブルで簡単です。そして効果的に出来る方法です。部屋全体のすべての壁面に色を使うことも出来ますが、白い空間に一カ所色を使うことでアクセントが生まれ、フォーカルポイントに生まれ変わります。その際は是非、白に近い薄い色ではなく、少し強い色にチャレンジしてみて下さい。

 色は広い面積になると明るさや彩度(色の鮮やかさ)が見た目若干増す傾向がありますので、小さなカラーサンプルだけで決めずに、大きめのサンプルを(A4サイズが目安)作ってもらって確認することをお勧めします。サンプルは壁紙でも塗装でもインテリア・デザイナーやコーディネーター、もしくはメーカーや施工業者に頼むと手に入ります。





Lesson 4 インテリアイメージとカラー
 では、アクセントウォールに使う色にはどんなものを選んだら良いのでしょう。それは、その空間をどんなイメージにしたいのかによって変わってきます。エレガントにしたいのか、ポップにしたいのか、男らしい重厚なスタイルにしたいのか。色にはイメージがあり、人は色を見ただけでそこに意味を見出そうとする傾向があります。例えば公共施設のトイレの扉に青が使われていたら、そこに男性用の表記が無くても人は男性用と認識します。また、パステルカラーを見ると「かわいい」と思ったり、ビビットな赤やオレンジを目にするとビタミンカラーと称して元気が出る色と認識するようです。色の特性を知り、効果的に色を空間に使ってみましょう。









Lesson 5 さりげない色の演出
 強い色でアクセントを壁に付けるのではなく、さりげない色を効果的に使って部屋の印象を変えることも出来ます。派手ではない落ち着いたカラーを用いて、「温もり」や「遠近感」を出すという手法です。暖色系を使うと「温もり」を演出し、グレー系のカラーを使うと、人はその壁を奥まった壁と認識し、「遠近感」が生まれます。また、空間の色が淡い色合いの同系色でまとめられた場合、ぼやけた印象になることがあります。その場合は少し違うトーンの色や違う色相を差し色として加えると「引き締め効果」が生まれます。

【用語解説】
アクセントカラー
アクセントカラーとは、まとまりある配色をほどこしたものの、単調な感じがするときに対照的な色を少し加えることで、全体を整えるのに使う色のことをいいます。アクセントカラーは強調色とも呼ばれ、明度や彩度、対照的な色相を用いることが多いです。

アソートカラー
アソートカラーとは、ベースカラー(基調色)の次に広い部分を占める色のことをいいます。アソートカラーは、従属色、配合色とも呼ばれます。ベースカラーに、このアソートカラーとアクセントカラーを組み合わせ、全体の配色を整えます。










Lesson 6 アクセントウォールの素材
 壁面に色を使う場合、その素材には様々な手法が使えます。代表的なものは「壁紙」「塗装」「タイル」「石材」などです。それぞれに施工のしやすさ、価格、テクスチャー(質感)、発色の違いがあり、特徴があります。予算やインテリアイメージに合わせ、どんな素材が適しているか、是非プロに相談しながら、良いアドヴァイスをもらってみて下さい。



Lesson 7 壁以外でも色や柄で個性を出す
 色でインテリアを楽しむ手法はアクセントウォールだけではありません。カーテンや椅子の張り地を新しくするだけでも華やかに彩り豊かにインテリアのイメージを変えることが可能です。

 最近プリント柄がまた人気の兆しを見せています。カーテンに無地を使っていた人は、思い切って柄物の生地にチャレンジしてみましょう。そして椅子のカバーが汚れてしまったという人は、張替えをしてみませんか?大きなソファーはベーシックカラーにして、オットマンや1人掛け用のパーソナルチェアに個性的な生地を使えば、さりげなく、けれど効果的に模様替えが出来ます。空間に彩りのアクセントを加えることで、殺風景だった部屋が見違えるように明るく個性豊かになるでしょう。













Lesson 8 水回りにも色を使ってみよう
 お風呂や洗面所、トイレも家の中では重要なリラックス空間です。白の清涼感ある内装も素敵ですが、壁や建具などに色を用いることで「特別な空間」が生まれます。ここではそんな事例のひとつをご紹介します。  洗面所の壁面に暖色系のグレーの壁紙を用い、洗面化粧台には、カウンター材のオフホワイトカラーが映えるよう、アンダーキャビネットの扉にアクセントカラーをつけ、鏡面仕上げにしました。狭い空間にも色を数色使うことでアクセントを付け、グレイッシュなトーンで統一してバランスを取っています。

 このように色を効果的に使うことで、個性が無かった機能重視の空間が、インテリアの素敵な場所へと生まれ変わります。是非、色を使ってワンランク上の素敵な部屋を手に入れて下さい。





Text & photos:細井絵理子(c//space)