窓辺の冷気

最近の住宅は気密性が高くなってきており、窓やドアなどのいわゆる「開口部」と呼ばれる場所からの冷気や暖気の流入は昔に比べると少なくなってきています。しかし、断熱材が入っている外壁と異なり、ガラスが使われる窓はペアガラスやペアサッシ等の例を除くと、最も室内の熱が奪われ、外気温の影響を受ける場所と言えます。

ウインドウトリートメントで暖かく

外気温に影響されやすいガラス窓には、光や視線を遮断するだけでなく断熱効果が期待できるウインドウトリートメントをつけましょう。

特にガラス面と室内の間に空気層のスペースを多く作るドレープカーデンは、断熱効果UPに有効と言われています。これは布地にひだを取ることでフラットカーテン等のスタイルに比べて空気層の面積が大きくなるからです。

カーテンの断面と空気層
カーテンの断面と空気層

ぴったりサイズでより効果的に

カーテンのひだは一般的に、既製品やセミオーダーのカーテンは1.5倍、オーダーカーテンは2倍〜3倍になっています。これは同じサイズの窓があった場合、そこに使われる生地の分量の差になるのですが、ひだの分量が多ければそこに出来る空気層の面積が多くなることになります。また、オーダーカーテンは窓サイズに合わせて縫製されるので隙間から冷気が漏れるなどのトラブルがありません。便利で手軽な既製品もありますが、より断熱効果を高めるなら、オーダーカーテンで素敵に窓辺を飾りながら冷気も遮断しましょう。

腰窓のカーテンの長さの工夫

腰窓にドレープカーテンをつける場合、長さをどうするかが一つのポイントになります。通常は、窓の下15センチから20センチ長くしてドレープカーテンを作ります。窓枠サイズよりも少し大きく作ることで光や熱を遮断するのですが、冷気は暖気に比べて重く下に溜まりやすいもの。20センチ長く作っていてもその下から室内に冷気が漏れてしまうことがあります。そこで、より断熱効果を高めるために、床までいっぱいの長さでドレープカーテンを作ることをお薦めします。腰窓の下に家具を置く場合は、カーテンの開閉時に多少不便となる場合がありますが、何も置かない場合は、床までの長さにすることによって、断熱効果だけでなく、天井を高く見せる視覚効果も期待できます。同じ部屋に床までの窓(掃出し窓)があれば、同じ長さで作ることによって、インテリアとしてもバランスが取れ、美しく見せることができます。

ダブル使いで素敵に演出

ドレープカーテン以外のウインドウトリートメントも上手に組み合せることで、さまざまなスタイルで機能的な窓辺の演出が出来ます。

冬場の冷気の問題を中心に説明してきましたが、夏場の暖気や西日の問題も同じようにウインドウトリートメントで効率よくカットすることが可能です。

例えば、西日が気になる窓であれば、微妙な調光が可能なブラインドとドレープカーテンの組み合せをお薦めします。西日がきついからといって、昼間からカーテンを閉め切ってしまうのは嫌なものです。レースのカーテンに変わってガラス面側にブラインドをつければ、昼間はブラインドのスラット(羽根)の角度を調整して余分な光と熱を遮断し、夜はドレープカーテンを閉めて、外気温をシャットアウトすることが可能です。

ブラインドも最近は色や素材、スラット幅のバリエーションが増え、布地のカーテンとの相性も良くなってきました。また、フッ素コートや酸化チタンなど、お手入れが楽になるよう工夫された表面加工のものもあります。

窓に合わせて上手に組み合せて素敵なインテリアで省エネ対策をしてみましょう。