ヨーロッパ展示会に見るインテリアトレンド
2014年〜2015年のトレンド傾向をヨーロッパで開催されたインテリア展示会よりレポートします。トレンドセッターの提案からトレンドトピックスまで、今注目の内容をどうぞご覧ください。
PART 1 ハイムテキスタイルの発信する2014/2015トレンド
展示会:ハイムテキスタイル
会期:2014年1月8日〜11日
会場:ドイツ・フランクフルト国際見本市会場
ホームテキスタイル最大の見本市として知られるハイムテキスタイル。同展示会では、毎年カーテン生地、椅子張り地、ベッドリネン、壁紙の次世代が最大規模で展開され、特にフォーラムと言われるホールではハイムテキスタイルの発信するトレンドが見逃せません。
2014/2015トレンドは、6つの国から選ばれたデザインエージェンシーによるPROGRESS!(進化)とREVIVE!(復活)の2つがテーマです。
1. PROGRESS!(進化)は、技術革新を背景とした新たなデザインとは何かを提示しています。色の鮮やかな世界でテーマはさらに2つの小テーマに分けられ、2014/2015シーズンで特に注目とも言える内容となっています。
PROGRESS / GENERATE COLLISION!(衝突を生み出す!)
デザインとは過去にあったものを繰り返すというイメージがありますが、ここで発信されるデザインは新技術による見たことないようなものが含まれます。また、世界に一つしかないデザインが簡単に手に入るようになってきたことも注目のトレンドです。
来場者が手を振ることでその動きをコンピューターが絵に変えて行くという新たなデザインクリエーション手法。
コンピューター上で偶然描かれたパターンの製品化など、新技術が可能とするデザイン創造が積極的におこなわれています。リピートパターンのないテキスタイルはデジタルプリントの普及にともない多く使われるようになってきました。個性や独自性の発信もしやすくなってきました。
蛍光色を使うこと、またそれを複雑に混ぜ合わせることも注目です。
PROGRESS / ENGINEER NATURE!(自然を技術設計しよう!)
テキスタイルを作る技術がバクテリアの成長や体内の細胞、自然循環といった生物学の世界と結びつくことで思いもよらない新しいテキスタイルが生まれることを紹介しています。まだまだピンとこない分野ですが、今注目されている内容です。トレンドフォーラムでは、実験器具とともにテキスタイルが展示されていました。
自然やその色をモチーフとしたテキスタイル
自然をモチーフしながらグラスビーズや金属的、特殊な技術をテキスタイルに使用したものなど、自然から触発された人工的なエレメント、わざとグラフィカルに表現したテキスタイル・壁紙などが展示されました。
2. REVIVE! (復活)では、過去から学ぶことの重要性を知り、伝統の中にある価値を再発見し呼び起こそうとする2つの色を抑えたカテゴリーです。自然環境にも注目しています。
REVIVE / EXALT PURITY!(純度を高めよう!)
マスプロダクションへの反動として、物に対してストーリー性や物そのものへの関心が強くなっている中、自然アイテムの不完全性や源に対しての尊敬の念が強まっています。そういった植物・生物の原始的な要素に現代性をプラスしたデザインが取り上げられています。
純度の高い自然素材が最も評価されるということからリネン・ウール・シルク・レザーなどの素材が展開。
アニマルスキンを無駄に使うのではなく、ファー・骨・羽などあらゆる部分を使用することで敬意を示すという方向性もあるよう。
黒と白という色は強い視覚的メッセージを表現し、また不穏な経済状況なども暗示しています。
REVIVE / REJUVENATE CRAFT!(手仕事の復活!)
伝統的な工芸技術を復活させ新しくすることで、物の価値を高めることができるというアイデアから提案されるもの。
刺繍、織り、ニットといった伝統手法が展開されました。ストーリーを語ることでテクスチャーにより豊かさが生み出されることも強調されています。
人の手が入ったもの、そこに今が感じられるものが重要とされています。
本コラムではインテリアの内装材にまつわる様々な情報を発信してまいります。国内の新しい製品情報はもとより、エンドユーザーの消費行動に関する変化や海外トレンドから得られるデザインのヒント、話題の建築などにも着目しご紹介してまいります。