Lesson 1 ヨーロピアン・クラシック スタイルの魅力。
2000年前後から日本ではモダンスタイルが主流となり、北欧や和風モダンなどのシンプルモダンなスタイルが人気を集めていました。そして2010年代に入ってビンテージスタイルやシャビーシックといった、少し時代感のあるスタイルや洗練されたカントリースタイルのインテリアショップが続々とオープンし、雑誌などでも数多く取り上げられるようになってきました。閉塞感のある今の時代の中で、人は尖った都会的なスタイルから、落ち着けるナチュラルテイストを求めるようになってきたのです。
そして2012年。新しく話題のホテル「東京ステーションホテル」が東京駅丸の内駅舎に登場し、その人気と共に、古き良きヨーロピアン・クラシックスタイルの魅力に注目が集まっています。
洗練された正統派のデザイン「ヨーロピアン・クラシック」の魅力とは何なのでしょうか。それは、長いヨーロッパの建築・装飾の歴史の中で培われてきた、揺るぐことのない「伝統」であり、「美」であり、「価値」なのではないでしょうか。不景気が続く中、人々はお金を安易に使うことを避けるようになり、本当に必要なものにはお金をかけ、それ以外の日常品ではファストファッションなどリーズナブルなものを買うという「選択する」消費行動が増えたと言われています。こういった閉塞感のある時代だからこそ、人は「伝統」や「本物」、「上質」なものに価値を見出し、それを手に入れたいと願うのです。
インテリアでもその傾向は見られます。クラシックなスタイルは和洋問わず様々なスタイルで再注目されているのです。
Lesson 2 モールドを使って壁面に装飾を。
21世紀のクラシックスタイル「Neo Classic」をご自宅でも楽しめる方法をご紹介しましょう。
インテリアでクラシックと言うと多くの人が「重厚」「高級」「重苦しい」「堅苦しい」等の言葉をイメージするようです。今回写真でご紹介するホテルの内装イメージはクラシックをベースにしていますが、決して重苦しいものではありません。ある装飾パーツを壁面や天井に使うことで、簡単に洗練されたヨーロピアン・クラシックスタイルを演出できるのです。
それは「モールディング」です。幅木や廻縁、枠などに「モールド」という装飾性の高い部材を使うことで、伝統的な壁面や天井面にすることが可能です。また、このモールドは見切り材としての機能を持つので、色や柄が綺麗なアクセントクロスを部分的に貼り分けるのにも大活躍します。また、腰壁やドアに付けることで、高級感を演出することも可能です。
このモールド。木製のものや石膏で固めたものがあり、塗装が出来るようになっています。暗く濃い色を使ってアクセントにすることもできますが、インテリア初級者の方にお勧めなのは、「白」もしくは「ライトグレー」です。クラシックなスタイルも白などの明るい色を使えば、重苦しい雰囲気にはなりません。
Lesson 3 大胆な柄にもチャレンジ。
来年のトレンドの中に、リアルプリントの壁紙があります。思わず「本物?」と思ってしまう、リアルな転写プリントが再び人気を呼びそうです。写真の壁面には本物の本棚がそこにあるような錯覚を覚えるプリント柄の壁紙が使われています。このように手軽に遊び心のあるデザインを楽しめるのも壁紙だからこそ。自宅のリフォームや模様替えを考えている方は、是非、ユニークで美しいプリント柄の壁紙で印象的な壁の装飾にトライしてみましょう。
本コラムではインテリアの内装材にまつわる様々な情報を発信してまいります。国内の新しい製品情報はもとより、エンドユーザーの消費行動に関する変化や海外トレンドから得られるデザインのヒント、話題の建築などにも着目しご紹介してまいります。