不景気な空気を吹き飛ばす、情熱的なカラー赤やオレンジに注目
毎年1月と9月にフランス、パリで開催される世界最大規模のインテリア展示会「Maison & Objet(メゾン・エ・オブジェ)」(以降M&O)。 1月のコレクションでは、様々な“朱色”“オレンジ”“赤”が新鮮なカラーとして登場しました。ファッションでも指し色として注目されるこれらのカラー。エネルギーや情熱を感じさせるこれらの色を空間に取り入れることで、まずは気持ちから元気にしたいもの。壁面に大胆な配色の壁紙やテキスタイルを絵のように飾ったり、クッションやラグでアクセントを付けてはいかが?
暖かみのある素朴な素材に注目 ローゲージ、ニット、フェルト
今シーズンはどこか懐かしい、ローゲージ(太い糸や毛糸を使用)のクッションやチェア、フェルトやニットを使ったアイテムが多数出現。シンプルモダンなスタイルとは真逆の温もりあるデザインが新鮮に。秋から冬にかけて、クッションやラグ、スローケットなどにこれらの素材を取り入れてみるのもいいでしょう。
伝統から日常へ。組子の新しい使い方
伝統的な柄の中でもチェックや千鳥格子、ペイズリーなどは前シーズンに引き続き注目柄と言えるでしょう。ブリティッシュトラッドでもおなじみのこれらのモチーフを大柄にして家具にプリントしたり、ラインの際を曖昧にしたぼかし風プリントにするなど、従来の使い方とは違ったアレンジを加えて新鮮に。カーテンやベッドスプレッド、ソファの張り地などに思い切って使ってみると楽しいインテリアになるでしょう。
フォークロアモチーフに注目
ヨーロッパの民族衣装や置物に見られるフォークロアモチーフ。ロシアのマトリョーシカやチロリアンモチーフなどファッションや雑貨のトレンドがインテリアにも登場しています。
エスニック、ノマド(遊牧民)、中南米 国や地域を特定しないカルチャーミックスが新鮮
1月のM&Oのブースの中でもエルメスのディスプレイは一際目を引きました。注目カラーのオレンジを主とした砂漠を旅するキャラバン隊を思わせるエスニックなスタイル。会場内に期間限定でオープンしたカフェレストランのデザインは中南米を思わせるワイルドなインテリア。トレンドブースの一つ、INSPIRATIONSのブースでは世界で活躍するクリエータたちの作品が大集合。様々な国の民族的伝統的モチーフを使った個性溢れるプロダクトデザインが集められ、多国籍ミックスの楽しさを表現。バンブーや籐、色鮮やかなエスニックモチーフやレースなどが大胆な発想で様々なアイテムとなって登場していました。
本コラムではインテリアの内装材にまつわる様々な情報を発信してまいります。国内の新しい製品情報はもとより、エンドユーザーの消費行動に関する変化や海外トレンドから得られるデザインのヒント、話題の建築などにも着目しご紹介してまいります。