新しい商業施設OPENや再開発に伴い、都市部に新しい業態のライフスタイル・ショップが次々に登場しています。ライフスタイル型店舗と言えばこれまではファッションメーカーやインテリアメーカーが母体の店舗が多くを占めていましたが、この数年で台頭してきたのが他の業種が展開する新型ライフスタイル・ショップ。書店や家電とのミックスや食に関する売り場を併設するタイプなど、その形やサービスは様々です。集客でも大きな注目を集める新しい暮らしの提案についてご紹介しましょう。

ライフスタイル・ショップとは?

ライフスタイル・ショップとは、生活に必要なインテリア(家具、キッチン雑貨など)やファッション関連用品(洋服・服飾雑貨)を同じコンセプトやブランドイメージで展開もしくはセレクトし販売するショップを指します。老舗のセレクトショップではすでに90年代からライフスタイル型提案はされていましたが、ファッションやバッグなどがメインでインテリアは食器などの小さな雑貨が主でした。しかしここ最近OPENするライフスタイル・ショップは大きな売り場を持つ店が増えたのと同時に、食に関する売り場を増やすなどその商品構成にも変化が見られます。

増えてきた「体験型」 「食」を加えた新しい生活提案型ショップの登場

ここ数年、ファッションと同じく家具などのインテリアショップでは価格破壊が進み、お手頃価格の商品が充実する大型店に多くの消費者が集中してきました。しかし、昨年から今年にかけOPENしたライフスタイル型ショップを見ていくと、幾つかの変化が起こってきています。

まずその特徴の一つは「体験型」だということ。ただ商品を並べるのではなく、ブランドイメージを体現するインテリア・デザインのカフェやレストランが併設され、そこで食事やお茶を楽しむことで、その店が提案する衣食住のあり方を疑似体験出来るように。その代表格の一つがRonHerman(ロンハーマン)です。アメリカ、ロサンゼルスのハリウッドにある店の日本展開で、店舗内装も含め一貫したブランドイメージがあります。白のラフな塗装仕上げの板張りの壁。サーフボードが並び、カジュアルだけれど上質で着心地の良いファッションやアクセサリー。そしてリラックス感のある家具や食器が並ぶ店内。暮らしを彩る様々なグッズがゆったりとした店内を飾ります。そしてカフェはいつも長蛇の列。最初にそこで食事をしてくつろぎ、そのあとゆっくりショッピングを楽しむ。そのような買い物スタイルが多く見られます。

複合店として幾つかのショップを集め、衣食住をトータルに展開する専門店もあります。例えば二子玉川にある玉川高島屋S・Cの「マロニエコート」。家具や食器、服やグリーン用品が並ぶ「SLOWHOUSE」や定番品が揃う「無印良品」が入り、その上下階には話題のカリフォルニアスタイルの食事が出来、食材も買える「FARMSHOP」や贅沢な朝食やパンケーキで大人気の「bills」が入店しています。この夏には関西でもライフスタイル型店舗が集積するビルがリニューアルオープンしています。「京都BAL」もその一つでしょう。最上階には自然光が美しい「RonHerman」が入り、日本全国の様々な調味料や食器、キッチンツールを集めた「TODAY’SSPECIAL」など食に関連したライフスタイル・ショップも入っています。

Ron Herman(京都BAL)
Ron Herman(京都BAL)
マロニエコート外観
マロニエコート外観
FARMSHOP
FARMSHOP
SLOW HOUSE
SLOW HOUSE
京都BAL
京都BAL
TODAY’S SPECIAL
TODAY’S SPECIAL

お茶をしながら本を読み 家電や家具を買う「滞在型」店舗の登場

「都心でのライフスタイルの創造」などをコンセプトに2011年末にオープンした「代官山蔦屋書店」。店頭に並ぶ雑誌や本を読みながらお茶をして寛ぐことが出来る滞在型店舗を作り、そのスタイルが大きな話題に。そして今年5月には蔦屋書店の要素に家電や家具などの小売が加わった「蔦屋家電」(二子玉川)がオープンしました。ここでも店の中心にリビングのようなソファ席や椅子席が並び、自由に本を見て寛げるスタイルを踏襲。料理本の横にエプロンやお鍋が並び、関連する家電コーナーが併設されるなど、本の売り場と連動して家電や家具、日用品が並ぶ売り場展開になっています。

蔦屋家電(二子玉川)
蔦屋家電(二子玉川)

ライフスタイル・ショップで 生活に彩りと楽しみ方のヒントを得よう

少しオシャレでこだわりのあるデザインや伝統の技が生かされた良質な品で生活を彩る。ただ安いもので生活を満たすのではなく、暮らしの中で何を大切にして楽しみながら生活するか。そんなことを考えるヒントをくれるのがライフスタイル・ショップなのではないでしょうか。増えて充実して来始めたライフスタイル・ショップに足を運んで、素敵な住まい作りのヒントにしていきましょう。